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形式知と暗黙知

岩波の「科学」1月号に<わかる>とは何だろうかという特集があって、面白く読んだ。その中で特に参考になったのが、一橋大の野中郁次郎さんの書いた「知識と理解」である。

言葉・文章や図という形にできる知識を「形式知」という。これは人と人の間でやり取りができ、媒体に記録しておくことが可能。
これに対し十分にわかっていても言葉でうまく表現できない個々人の内面的理解といったものを「暗黙知」という。
本当の理解というのは形式知の理解だけでなく暗黙知の部分まで理解していることだそうだ。
これを読んだ時、地すべり地形判読と地すべり地形分布図の関係について、この形式知と暗黙知の関係でうまく説明できると感じた。地すべり地形分布図は図として印刷されているので形式知と言えるが、それを作成する段階での地形判読作業はまさに暗黙知の領域である。分布図の意味をその中味まできちんと理解するためには見る人それぞれが暗黙知をもつ必要があるが、なかなか難しい。経験の積み重ねが暗黙知の重要ということも地すべり地形の認識と同じである。

現在の科学は自然のいろいろな仕組みの形式知を目指している。それは産み出された成果を記録し、人から人への伝達を考えれば、形式知化なしに科学は成り立たないのだが、背景にある暗黙知の部分の重要性を理解することも大切ではないかと思った。
科学として定量化は必要だが、数値化や定量化が難しい問題もたくさんあることを理解して貰う必要があると痛感した。
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12:07 | 地すべり地形分布図 | comments (0) | trackbacks (1) | page top↑

地すべり地形の凡例の詳細版が必要か?

5万分の1の地すべり地形分布図で用いている凡例は5万にしては少し詳しすぎるとの声もあるが、中越地震の大日山や一ツ峰沢の地すべりの判読図を見ていると、詳細な判読図にはより細かい凡例が必要だということが分かる。
その際、その地すべりごとに若干異なる記号を用いるが、できれば地すべりだけでなく崩壊などにも使える基本的な凡例があった方が良いと思った。
そうすると多くの人にも使って貰える可能性があり、地すべり学の進歩にもつながると思う。
地すべり地形判読に関する今後の課題としては、移動体の内部の状況を細分して判読できないかと言うこと。滑落崖は開析度に応じて細分しているが、地すべりの危険度評価や掘削する場合の難易度などとはあまり関係がない。実際面からより求められているのは、移動体の内部の破砕や変形状況を反映した区分ができないかということではないか。
滑落崖以上に難しい課題だが、応用地質学会などとの連携を深めていくと展望があるかもしれない。

11:36 | 地すべり地形分布図 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

第1集~第4集の再版のお知らせ

防災科学技術研究所では、これまで地すべり地形分布図の発行を行
ない、関係機関への配布を行なってきましたが、初期に発行した
第1集から第6集については在庫がなくなり、皆様にはご不便を
おかけして来ました。

昨年度より順次再版を行なって来ました。現時点で第1集~第4集
の再版が完了し、その分の送付依頼に応じることが出来る様になり
ました。

再版した中味は以下の通りです(20万分の1地勢図名)
第1集  新庄・酒田
第2集  秋田・男鹿
第3集  弘前・深浦
第4集  村上+佐渡島(相川・長岡の一部)

部数が限られていますので、とりあえず欲しいと言う方にはご遠慮
頂き、地すべり研究、防災計画、開発計画立案、調査等で地すべり
地形分布図を利用したい機関・団体・個人等の方々に対して簡単な
依頼状を送って頂くことにより送付したいと考えております。


また、改めてお知らせ致しますが、まもなく地すべり地形分布図の
データベースをインターネットで公開します。
現在最終段階の調整を行なっておりまして、予定通り進めば本年10月
より正式公開の運びとなります。限られた範囲における地すべり地形
の確認はインターネット上で見て頂く方が迅速・簡便かと思います。

印刷図面とインターネット上でのデータベース、それぞれの利用目的
に応じて使い分けていただければと思います。


地すべり地形分布図の送付依頼先
〒305-0006 茨城県つくば市天王台3-1 防災科学技術研究所
防災研究データセンター 情報解析室 あて
18:06 | 地すべり地形分布図 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

地すべり地形分布図の空間情報のデータベース化に関して

以下は地すべりMLに投稿した記事の引用

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地すべりMLの皆様

 この度、科学技術庁の科学技術振興事業団(旧JICST)で募集している研究情報のデータベース化支援事業に、防災科学技術研究所で発行している「地すべり地形分布図」のデータベース化が採択されました。
今年の2月より3年計画で、「地すべり地形分布図」上の地すべり地形データをデータベース化して、インターネット上で誰でもアクセスして利用出来るように事業団の資金を用いてデータを整備する事業です。

利用者の各パソコンからインターネットを介して防災科学技術研究所のデータベースサーバーにアクセスしてもらい、任意の地域の地すべり分布図をWEB上で閲覧したり、ベクトル化した地すべり地形データをダウンロードして研究等に用いることが出来るようにしたいと考えております。

ただ地すべり地形の様に位置情報を有する空間情報のデータベース化に関しては、現在発展途上の分野で、スタンダードのシステムがない状況です。そのため現在、データベース化の基本計画について事業団と協議を始めた段階です。

つきましては、地すべり地形分布図の空間データのデータベース化が行われた場合、どのくらいの研究者の利用希望があるのか? どのような種類のデータが研究上必要なのか?など利用者のニーズをつかみたいと希望しております。利用希望でなくても、こういう方面で使えるのではないかといったアイデアでも結構です。

そういった希望も加味して、データベース化する項目・属性、ファイルの構成,データ構造、WEB上の機能、画面のレイアウトなどについて基本仕様を固めたいと考えています。

その他何でも結構ですので、この事業に関して意見、要望、アドバイス等がありましたらお寄せ下さると助かります。お忙しいところ申しわけありませんが宜しくお願いします。
21:59 | 地すべり地形分布図 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

データベース化支援事業に選定される

科学技術振興事業団のA氏より、今年度のDB化支援課題として選定するとの結論が選定委員会で出されたとのメールを頂く。
選考の途中からのやり取りが感触良く進んでいたので、かなり期待が持てそうと感じていたのだが、やはり決まると嬉しい。八幡平澄川地すべりの発生場所を判読・図示していたことが評価されたのだろうか? 昨年の4件の応募枠に対して、今年は1件しかないということで、競争率19倍の難関を勝ち抜いた感慨は大きい。

ただ、これからが大変、あと4ヶ月でデータ入力や基本設計などを行なうという予定らしいので、早急に詰めないと間に合わない。
18:27 | 地すべり地形分布図 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

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